研究課題
漢方方剤「八味地黄丸」の老年期認知症における認知機能、日常生活動作(ADL)に対する改善作用を二重盲検ランダム化比較対照試験で評価すると共に脳血流に及ぼす影響をSingle photon-emission computed tomography(SPECT)を用いて検討した。「物忘れ外来」を受診した患者を対象とし、NINCDS-ADRDAによる臨床診断基準より"ほぼ碓実なアルツハイマー病(AD)"と診断された軽症から中等症のAD患者33症例をランダムに2群にわけ、背景因子に差がないことを確認した後、八味地黄丸(ウチダ和漢薬)30丸/日(17名)およびそのplacebo(16名)をおのおの8週間内服させた。家族から文書でinformed consentを得た。実薬とplaceboは識別不能であることを確認した。治療前、8週間内服後、および治療終了後さらに8週間経過後でMMSE(認知機能)とBarthel index(ADL)を実施。治療前、治療後でカラードップラー法による内頚動脈pulsatility index(PI)、 resistivility index(RI)を測定、かつplasma homocysteine level, vitamin B12,葉酸その他血液検査を実施。MMSEは八味地黄丸群で治療前(13.5+/-2.1)から治療後(16.3+/-1.9)へ有意に(p<0.01)改善し、内服終了後8週間でほぼ前値にまで戻った。Barthel indexも同様だった(治療前56.5+/-8.5、治療後74.7+/-5.5、p<0.01)。また内頚動脈におけるPIが有意に低下した(2.5+/-1.7から1.9+/-0.5,p<0.05)。placebo群ではいずれの指標にも有意な変化は認められなかった。その他のデータに有意な変化は見られなかった。
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