研究課題
基盤研究(C)
エンドトキシン(リポポリサッカライド; LPS)によって惹起される肝再生不全モデルを用い、その機序について以下の点を解明できた。1. LPSはtumor necrosis factor (TNF)-αを誘導し、plasma kallikreinを介してtransforming growth factor (TGF)-βを活性化する。TGF-βは肝星細胞で産生され、細胞外マトリックス中に存在するが、活性化を受けた後、肝再生を強力に抑制する。2.ノックアウトマウスを用いた実験から、上記の系におけるTNF-αの責任受容体はTNFR-1であり、TNFR-2とFasは関与しなかった。3.TNF-αによって肝線維化が惹起されるが、セカンド・メッセンジャーとしてheat shock protein (HSP)も関与する。ただしHSPの作用には2面性がある。4.現在、臨床試験が進行中の新規化合物(NIK-333)はTNF-α陽性オーバル細胞の出現と星細胞の活性化を何れも抑制した。星細胞の活性化は肝線維化を誘導するとともに再生不全も惹起する。従ってNIK-333には臨床的有用性が期待できる。以上により、サイトカイン連鎖による肝再生不全発症機序について一定の知見を得、この機序を制御することによる治療法の開発についても候補化合物の有用性を基礎的に証明できた。
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