研究課題/領域番号 |
16590597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
坂井田 功 山口大学, 医学部, 教授 (80263763)
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研究分担者 |
沖田 極 山口大学, 医学部, 教授(特命) (70107738)
寺田 崇二 山口大学, 医学部, 助手 (00332809)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 骨髄細胞 / 肝細胞 / 前癌制病変 / 細胞外マトリックス / 肝癌 |
研究概要 |
マウスに四塩素化炭素を週2回4週間投与し肝硬変モデルを作成した。同種同系のGFPマウスの骨髄細胞を尾静脈より投与し、四塩素化炭素をその後も4週間投与し続けた。投与した骨髄細胞は、線維に沿って浸潤し、定着後に増殖を示した。浸潤した骨髄細胞は、がん細胞が転移浸潤するときに産生する、細胞外マトリックスを溶解するMatrix metalloproteinases(MMPs)を産生することが判明した。特にMMP-9の産生は著明ですでに完成した肝線維化を溶解することを、in situ hybridization,免疫染色(蛋白産生を確認)そしてin situ zymographyでproteinaseとしての活性があることを証明することができた。しかも、骨髄細胞投与後も四塩素化炭素を投与し続けており、肝細胞壊死が引き続き起こっているにおもかかわらず、肝線維化を改善させることが明らかになった。また、浸潤してきた骨髄細胞は、肝芽細胞を経てアルブミンを産生する肝細胞へと分化することも同時に明らかになった。すなわち、現在の医療では不可能である、肝再生と繊維溶解を同時にかつ持続炎症下で発生させることが可能になった。 また、肝線維化を抑制すると肝発癌が抑制され、線維化を促進すると肝発癌も促進することが明らかになり、骨髄細胞投与による肝線維溶解は、発癌抑制に繋がる事が判明した。この線維溶解作用を持つ骨髄細胞群が、造血系の幹細胞か、間葉系の幹細胞であるかを、造血系の幹細胞を認識するLiv8抗体を用いて、骨髄細胞をそれぞれの分画に分けて、上記の四塩素化炭素実験系をおこなったところ、葉間系幹細胞群に肝線維溶解と肝細胞への分化能力があることが判明した。
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