マクロファージ・好中球におけるSmad2シグナルの腸管炎症における役割を検討するためにマクロファージ・好中球特異的Smad2欠損マウスを作成し検討した。 loxP配列を有するターゲッティングベクターを作成し、常法に従ってSmad2^<flox/flox>マウスを作成した。LysMcreマウスはCre recombinase cDNAがlysozyme M遺伝子の翻訳開始コドンの部位にhomologous recombinationで挿入されており、lysozyme M遺伝子の転写調節領域のコントロール下にCreをマクロファージ・好中球特異的に発現する。Smad2^<flox/flox>マウスとLysMcreマウスを交配させ、LysMcre・Smad2^<flox/+>マウスとSmad2^<flox/+>マウスを得た。GenotypingをCreに対する特異的プライマーを用いたPCRにより行い、LysMcre・Smad2^<flox/+>マウスを選択した。次にLysMcre Smad2^<flox/+>マウスとSmad2^<flox/flox>マウスを交配させ、(1)Smad2^<flox/+>、(2)Smad2^<flox/flox>、(3)LysMcre・Smad2^<flox/+>、(4)LysMcre・Smad2^<flox/flox>マウスを作成した。GenotypingをCreに対する特異的プライマーを用いたPCR、およびCreノックイン領域の上流および下流に配置したSmad2に対する特異的プライマーを用いたPCRにて行った。上記マウスをSPF条件下に3ヶ月間飼育観察したが、LysMcre・Smad2^<flox/flox>マウスに自然発症腸炎は認めなかった。
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