消化管粘膜表層には、気相-液相界面微小環境が存在する。我々は、気相-液相界面微小環境の胃粘膜上皮に対する影響を解析し、気相-液相界面が胃粘膜上皮の生存、増殖、分化促進因子であることを初めて報告し、気相-液相界面が胃粘膜上皮の管腔因子の一つであることを提唱した。本研究では、気相-液相界面微小環境が、小腸や大腸粘膜上皮の生存・増殖・分化を促進することが判明した。アポトーシスは抑制傾向を示した。増殖は、マップキナーゼ・カスケイドが重要である事が判明した。アクワポリンやペンドリンの発現の亢進が見られ、機能分化が促進されることが判明した。以上より、気相-液層界面は、消化管上皮の管腔因子の一つであることが示唆された。今後は、大腸癌、胃癌、食道癌などにおける、気相-液相界面の影響を追求したい。
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