研究課題/領域番号 |
16590617
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
富永 和作 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80336768)
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研究分担者 |
樋口 和秀 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (20218697)
藤原 靖弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40285292)
渡邊 俊雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50336773)
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キーワード | 腹膜中皮 / interleikin / 消化器癌 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
腹膜表皮細胞の初代培養系の確立・遺伝子導入効率の検討 7週令Wistar系雄性ラットを用い、腹膜中皮細胞の初代培養系の確立に成功した。またβ-ガラクトシダーゼ発現アデノウイルスベクター(Ad-LacZ)を用いた遺伝子導入効率を検討、胃癌細胞株MKN45に比較しラット腹膜中皮細胞は約10.9倍と高い遺伝子導入を認めた。 腹膜中皮細胞を標的としたlnterleukin-10遺伝子導入によるマウス胃癌腹膜播種抑制 5週令BALB/c系ヌードマウスに対し、MKN45細胞を腹腔内投与し胃癌腹膜播種モデルを作成、3日後にIL-10遺伝子組み換えアデノウイルス(Ad-mlL-10)、Ad-LacZ、コントロールとしてPBSの腹腔内投与を施行、以下の結果を得た。 1.ウイルス投与1、3週後の腹膜でびまん性のX-gal染色性が認められ、腹膜中皮細胞は遺伝子導入標的として有用だと考えられた。 2.1、3週後の腹腔洗浄液IL-10濃度はそれぞれ3431士1378、4665±2859pg/mlと上昇、5、7週では98±176、117±104pg/mlと大幅に減少していた。すなわち少なくとも3週間は腹腔内で高濃度のIL-10産生が維持されることが判明した。 3.血清IL-10濃度は腹腔洗浄液の約1113と低く、副作用は認めなかった。 4.Ad-mlL-10群にて腫瘍結節数は3、5週後ともにAd-LacZ群に比し有意に抑制され、経時的な体重減少からの回復、生存期間の延長が認められた。 以上より、腹膜中皮細胞を標的としたIL-10遺伝子療法は腹腔内で高濃度のIL-10産生を維持し、胃癌腹膜播種を抑制する可能性が示唆された。上記の結果をH19年4月American Association for Cancer Research Annual Meeting等の各学会にて発表予定である。
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