• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

単クローン抗体で認識される消化管粘液中の酸性糖鎖の生体内における機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16590629
研究機関北里大学

研究代表者

石原 和彦  北里大学, 医療衛生学部, 教授 (10104530)

研究分担者 中村 健  北里大学, 医学部, 講師 (30050652)
キーワードムチン / モノクローナル抗体 / 抗糖鎖抗体 / スルホムチン / シアロムチン / 腸管寄生線虫
研究概要

1.ムチンの硫酸基を認識する抗体の性状の検討
抗ムチンモノクローナル抗体PGM34の抗原決定基の構造の解析を進めた。ブタ胃ムチンを出発物質として、まず、抗原ムチンを過ヨウ素酸酸化処理すると抗体との反応性が低下することからこの抗体のエピトープが糖鎖部分にあることを確認した。次いで、大量のムチンをアルカリ還元処理してムチン糖鎖を得た後、ゲル濾過カラムクロマトグラフィーでオリゴ糖を分離した。オリゴ糖混合物をDEAE-Toyopearlカラムクロマトグラフィーで分離したところ、抗体と反応する糖鎖は酸性画分に得られた。さらに活性画分を順相系HPLC(アミドカラム使用)を繰り返すことによって精製し、エピトープ活性のある糖鎖を2種類、ない糖鎖を1種類精製した。MALDI-TOFMSおよびHPLC法によるアミノ糖分析によって、構成糖を推定したのち、NMRによって構造を解析した。活性のある糖鎖はHSO_3Fuc_2Gal_2GlcNAcGalNAc-olおよびこれからFucが1分子除かれたもので、硫酸基がGlcNAcの6位に結合していた。以上の知見から、PGM34のエピトープは、スルホムチンの硫酸基を有する糖鎖部分にあることがわかった。
2.ラット腸管寄生虫N.braziliensis(N.b)の駆除時期と宿主小腸のムチン変動の関連性
N.b幼虫を感染させてから約2週間後には宿主の小腸ムチンの量的・質的変動を伴う排除機構によって腸管で成熟したN.bの虫体は排除される。その際、宿主腸管に起こる劇的な変動はシアロムチンと反応する抗体HCM31の免疫染色によって知ることができる。ラットにN.b幼虫を感染させたあと、どの時期まで寄生が持続すると宿主の応答が開始されるかを明らかにする目的で、2種類の抗線虫薬を用いて駆虫の時期と小腸粘膜の変動との関連性を検討した。これまでの検討では、虫体が成熟し排卵を開始する時期になると、たとえ駆虫が成功したとしても、宿主の小腸粘膜のシアロムチンの変動が起こることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 組成の異なる経管栄養剤3ヶ月使用による栄養状態の変化の検討 -微量栄養素添加の意義について-2005

    • 著者名/発表者名
      伊東祐子, 石原和彦 他
    • 雑誌名

      臨床栄養 (印刷中)

  • [雑誌論文] Appearance of specific mucins recognized by monoclonal antibodies in rat gastric mucosa healing from HCL-induced gastric mucsal damage2004

    • 著者名/発表者名
      Ikezawa T, Ishihara K et al.
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology 39

      ページ: 113-119

  • [図書] 胃粘液バリアー2004

    • 著者名/発表者名
      堀田恭子, 石原和彦
    • 総ページ数
      123
    • 出版者
      メジカルビュー
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi