研究概要 |
背景:C-末端にL-[1-^<13>C]alanineを導入した^<13>C-ジペプチド呼気テスト(Benzoyl-L-Tyrosyl-[1-^<13>C]alanine以下Bz-Tyr-Ala)による新規簡易膵外分泌機能検査を考案した。Bz-Tyr-Ala呼気テストを慢性膵炎患者に施行し、^<13>C-ジペプチド呼気テストで膵外分泌機能障害が診断可能であるかを検討した。 方法と対象:対象患者は慢性膵炎患者21名で、慢性膵炎の原因は全例アルコールであった。すべての患者は日本膵臓学会の診断基準に基づく確診例であった。平均年齢は58.1歳で、男性:女性は19:2、コントロールには膵炎の既往が無い健常成人16名に呼気テストを施行した。 結果:1Bz-Tyr-Ala呼気テスト:Bz-Tyr-Ala呼気テストにおけるΔ^<13>CO_2の値(‰)は、慢性膵炎患者では10、20、30、40、50分値が健常者の値に比べ有意に低値を示した。 2 [1-^<13>C]alanine呼気テストは測定時間内に慢性膵炎患者と健常者の間に有意差を認めなかった。 3 PFD試験とBz-Tyr-Ala呼気テストの相関PFD試験との相関は、20分値で最も高値を示した(r=0.726,p<0.0001)。 4 感度、特異度、陽性的中率(PPV),および陰性的中率(NPV),は30分値の35‰が最も高値を示した。 考察:Bz-Tyr-Ala呼気テストに於ける10分から50分間の呼気中Δ^<13>CO_2の違いは、健常者と慢性膵炎患者の消化管内酵素の違いよる結果であることを示唆している。この結果は、Bz-Tyr-Ala内服後短時間で膵外分泌機能不全の診断が可能であることを示している。
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