研究概要 |
目的:C・末端にL-[1-^<13>Clalanineを導入した^<13>C-ジペプチド呼気テスト(Benzoyl-L-Tyrosyl-[1・^<13>C]alanine以下Bz-Tyr-Ala)による膵外分泌機能検査を考案した。^<13>C-ジペプチド呼気テストで膵臓腫瘍切除後の残存膵外分泌機能が測定可能であるかを検討し、切除膵に慢性膵炎診断基準を満たす線維化の有無で^<13>C-ジペプチド呼気テストの結果に違いが有るかを検討した。方法と対象:膵頭十二指腸切除を施行し、膵管チューブを挿入した15例を対象とした。切除膵に慢性膵炎診断基準を満たす症例は10例であった。呼気テストは、Bz-Tyr-Ala5mglkgを蒸留水に溶解し7mMで内服投与し、呼気を10分間隔で90分まで採取した。^<13>C-ジペプチド呼気テストは、膵管チューブ挿入時と抜去後に施行した。呼気中^<13>CO_2の測定は赤外分光計を用い、Bz-Tyr-Ala内服前後の呼気中^<13>CO_2存在比率をΔ%oで表した。結果:1)Bz-Tyr-Ala呼気テストのΔ^<13>CO_2の値は、膵管チューブ挿入時比べ、抜去後が20分値から90分値の間で有意に高値を示した。2)膵管チューブ抜去後呼気テストは膵に線維化を認める症例は、線維化を認めない症例に比べ、10分値から80分値の間で低値を示した。3)呼気テスト結果と膵管チューブ挿入時の最大膵液量、平均一日膵液量、アミラーゼ分泌量との相関は、20分値が最も高く、それぞれの相関係数は0.865(p<0.0001),0.757(p<0.0001),0.853(p<0.0001),であった。考察:^<13>C・ジペプチド呼気テストで膵切除後の残存膵外分泌機能が短時間で測定可能である事が示唆された。膵線維化を認める症例は線維化を認めない症例に比べ、呼気テストの結果が低値を示すことから、膵外分泌障害の存在診断に有効である可能性が示唆された。p/
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