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2005 年度 実績報告書

消化管におけるCOX2を介したheregulin発現とerbB2リン酸化の役割

研究課題

研究課題/領域番号 16590641
研究機関日本医科大学

研究代表者

坂本 長逸  日本医科大学, 医学部, 教授 (30196092)

キーワードheregulin / erbB2 / cyclooxygenase-2 / fibroblast / gastric ulcer / colon cancer
研究概要

今年1年で、erbB3リガンドheregulinがCOX-2発現によって調節をうけるとする私達の仮説について、かなりの部分で実証した。すなわち、(1)胃線維芽細胞をIL-βで刺激すると、COX-2発現とともに、培養液中にerbB3刺激活性を有するheregulin蛋白が増加した。(2)heregulin蛋白発現、erbB3リン酸化刺激活性は、選択的COX-2阻害剤の添加により抑制され、更にPGE2の添加によって回復することから、COX-2/PGE系路に依存する可能性が示された。(3)cAMP誘導体とforskolinはともにheregulin発現とその放出を刺激することから、heregulin蛋白発現とその培養液中への放出はcAMP依存性蛋白キナーゼAに依存する可能性がある。(4)heregulin mRNA発現をreal-time PCRで定量化すると、IL-1βは胃線維芽細胞heregulinα、heregulinβ mRNA発現を刺激し、この刺激作用は選択的COX-2阻害剤で抑制され、PGE2添加にて回復することから、COX-2/PGE2系路はheregulinの転写活性を刺激すると考えられた。(5)外因性に投与したheregulinは大腸癌細胞株erbB2,erbB3を燐酸化し、VEGFの放出を刺激した。(6)HeregulinはCaco2大腸癌細胞のPI3キナーゼ、Akt,ERK1/2,p38MAPキナーゼを活性化し、heregulin刺激によるVEGF分泌はp38MAPキナーゼ阻害剤、NfkappaB阻害剤により抑制された。(7)real-time PCRで検討するとヒト大腸癌組織において、heregulin発現とVEGF発現が相関した。このような結果は、heregulinが胃粘膜や、大腸粘膜で、生理的な役割を有するとともに、それに留まらず、とりわけ大腸癌細胞ではerbB2/COX2経路を介してその進展にも関わる可能性を示唆するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Heregulin-alpha and heregulin-beta expression is linked to a COX-2-PGE2 pathway in human gastric fibroblasts.2006

    • 著者名/発表者名
      K Nagata et al.
    • 雑誌名

      Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 289(in press)

  • [雑誌論文] Induced microsomal PGE synthase-1 is involved in cyclooxygenase-2-dependent PGE2 production in gastric fibroblasts.2005

    • 著者名/発表者名
      Y Shinji et al.
    • 雑誌名

      Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 288

      ページ: G308-G315

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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