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2005 年度 実績報告書

C型肝炎ウイルス(HCV)コアタンパク質のRNA干渉への影響

研究課題

研究課題/領域番号 16590643
研究機関金沢医科大学

研究代表者

伊達 孝保  金沢医科大学, 医学部, 教授 (50019676)

研究分担者 川原 弘  金沢医科大学, 医学部, 助教授 (10177727)
松井 理  金沢医科大学, 医学部, 助手 (60288272)
キーワードRNA干渉(RNAi) / dsRNA依存性プロテインキナーゼ / 二本鎖RNA(dsRNA) / cIF2-α / HCV / コアタンパク質 / リン酸化
研究概要

これまでRNA干渉の際、タンパク質合成促進が観察されていたが、我々はウイルス感染防御に働く二本鎖RNA依存性プロテインキナーゼ(PKR)とHCVのコアタンパク質を焦点にあてて、これらのshRNAに対する影響を調べた。
1)組換えPKRを用いたin vitro実験において、PKRは16-26bpの二本鎖RNA(dsRNA)と結合したが、これら短鎖dsRNAによるPKRの活性化は全く認められなかった。
2)Poly[I:C]のような長鎖dsRNAによるPKRの活性化は、21bp程度のdsRNAの存在により阻害された。
3)ヒト細胞内にヒトmRNAを標的としない21bpのdsRNAを産生するshRNA発現プラスミドの導入したところ、コントロールプラスミド導入細胞に比べ、細胞内PKRのリン酸化が顕著に低下した。同時にcIF2-αのリン酸化も半減した。
4)eIF2-αのリン酸化の減少の程度は優性的に発現を抑制する変異PKR導入細胞と同程度であった。
5)ルシフェラーゼ一の発現をマーカーにタンパク質合成を見ると、shRNA導入細胞では1桁高いタンパク質合成の促進が見られた。
6)HCVコアタンパク質のdsRNAに対する親和性はPKRのそれと同程度であることを以前に示した。したがって、コアタンパク質は、短鎖dsRNAによるPKRの活性化を抑制するのではないかと期待したがeIF2-α以外の経路によるタンパク質合成の阻害効果が強く、これに関しては優位な、再現性ある結果を得ることができなかった。
以上の実験結果は、短鎖dsRNAがPKRの活性化に影響を与え、細胞内タンパク質合成と密接にかかわりあっている可能性を示すとともに、ウイルス感染で短鎖dsRNAの生産によるPKR活性化阻害の可能性を示唆する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 短鎖二本鎖による二本鎖RNA依存性プロテインキナーゼの阻害2006

    • 著者名/発表者名
      松井 理, 他
    • 雑誌名

      金沢医科大誌 (印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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