研究課題/領域番号 |
16590658
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
横山 知行 群馬大学, 医学部, 教授 (70312890)
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研究分担者 |
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 講師 (60270857)
倉林 正彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00215047)
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キーワード | レプチン / レプチン受容体 / 虚血再灌流 / 心肥大 / 圧負荷 |
研究概要 |
(1)虚血再灌流モデルにおけるレプチンおよびレプチン受容体の動態 ラットの左冠動脈を結紮して作成した虚血再灌流モデルでは、再灌流8時間後をピークにレプチン(ob)とレプチン受容体のうちob-RaのmRNAが心臓において有意に発現が増加した。免疫染色によって蛋白レベルでもレプチンとob-Raの発現が増加することが確認された。一方、ob-Rbは反対に虚血再灌流後、mRNAの発現が消失した。さらに、このモデルに抗レプチン抗体を投与すると、虚血再灌流による心臓でのMCP-1、IL-1beta、TNF-alphaの誘導が抑制された。これらの結果から、虚血心筋ではレプチンおよびレプチン受容体ob-Raの発現が亢進し、レプチンが炎症サイトカインを心筋で誘導することによって、虚血再灌流による心筋障害あるいはリモデリングに関与していると考えられた。 (2)高血圧心肥大モデルにおけるレプチンおよびレプチン受容体の動態 ラットの腹部大動脈狭窄による圧負荷心肥大モデルでは、負荷後、2週間および4週間でレプチン受容体のうちob-RbのmRNAが心臓において有意に発現が増加した。免疫染色によって蛋白レベルでもob-Rbの発現が増加することが確認された。一方、レプチンおよびob-Raの発現には変化がみられなかった。さらに、単離、培養したラット心筋細胞にアンジオテンシンII、エンドセリン1および伸展刺激を加えると、心筋細胞でのレプチンmRNAの発現が亢進した。一方、ob-Rb mRNAは伸展刺激によってのみ発現が亢進した。これらの結果から、圧負荷においては液性因子および伸展刺激により、レプチンおよびレプチン受容体ob-Rbが心筋細胞で局所的に発現亢進し、心肥大形成に関与していると考えられた。ob-Rbはgp130と相同性が高く、細胞内シグナル伝達系も類似していることから、レプチンによる心筋細胞肥大作用にはob-Rbを介したシグナル伝達が重要であると考えられた。
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