研究課題/領域番号 |
16590659
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栗原 由紀子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80345040)
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研究分担者 |
栗原 裕基 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20221947)
天野 朋和 東京大学, 大学院・医学系研究科, 寄附講座教員(常勤形態) (50359634)
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キーワード | エンドセリン-1 / 頭部心臓神経堤細胞 / 形態形成 / エンドセリンA受容体 / ノックインマウス |
研究概要 |
これまで我々はエンドセリン-1(ET-1)シグナルが頭部心臓神経堤細胞に作用して心大血管や顎顔面の形態形成に関与することを明らかにしてきたが、ET-1が形態形成決定因子として位置づけられるかどうかを証明するためにエンドセリンA受容体(ETAR)遺伝子ノックインマウスと遺伝子互換マウスを作製している。 ETAR遺伝子exon2の5'非翻訳領域より3'側に変異型lox配列を挿入したコンストラクトを作成し、これによって相同組み換えES細胞を複数ライン得、現在germline transmissionを確認した。さらに、これらのES細胞を用いて遺伝子互換による機能解析が可能かどうかを検討するため、変異型lox配列-ETAR cDNAを含むプラスミドをCre発現アデノウィルスベクターとともに相同組み換えES細胞に導入した。このマウスにより、ETAR遺伝子欠損による表現型がETAR cDNAによってレスキューできることを確認する。 また、本来ET-1のシグナルが作用しない上顎弓のETAR陽性細胞にET-1を作用させることにより、下顎の形質を誘導できるか検討するため、Cre蛋自により変異型lox配列-ET-1 cDNAを含むプラスミドを上記の相同組み換えES細胞に導入している。これにより上顎弓領域など広い領域の神経堤細胞にET-1が作用するマウスが期待でき、その表現型の範囲と特徴を形態と遺伝子発現の両面から解析することにより、ET-1が形態形成決定因子として機能しているのか、ET-1シグナルに対する形態誘導のコンピテンスはどのように決定されているのかを検討する。 さらに、ET-1の下流遺伝子と考えられる、dHAND、Dlx5、DLx6、活性化Gq等のノックイン用コンストラクトを作製したが、これらの遺伝子互換マウスを作製することにより、ET-1の細胞内シグナルが明らかになることが期待できる。
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