研究課題
基盤研究(C)
1.エリスロポエチン(EPO)を併用した骨髄単核球移植のヒト臨床治験(1)骨髄単核球移植(BMI)単独治療、BMI+EPO 6,000IU、BMI+EPO 24,000IUの臨床治験は昨年度に終了し、特にBMI単独治療についてはCir J 2004;68:1189-93にて発表した。(2)BMI+EPO 6,000IUx5日間連続投与:4例施行。1例は安静時疼痛が改善し臨床効果を認めるも、残りの3例は足部もしくは下腿レベルの下肢切断術を施行され、効果を認めず。2.赤芽球系細胞およびEPOの血管新生作用に対する基礎研究(1)EPOのBMI増強作用について(in vivo):マウス下肢虚血モデルを作成しBMIとEPOを同時投与したところ、EPOはBMI単独による救肢効果を増強した(JMCC 2006;40:629-38).(2)EPOのBMI増強作用について(in vitro):(1)human umbilical vein endothelial cell (HUVEC)と線維芽細胞の共培養系における検討では、赤芽球コロニー(BFU-E)を加えることでHUVECの管腔形成の増強が認められ、特にBFU-e周囲において顕著であった。一方、白血球系コロニー(CFU-C)の同培地への添加では、管腔構造の形成はほとんど認められなかった。(2)EPO+BFU-E投与において、管腔形成のさらなら増強を認めた。これは、EPO投与により赤芽球からのVEGFやPLGF産生が増強したことによると確認した(JMCC 2006;40:629-38).(3)赤芽球系細胞の重要性の検討:マウス下肢虚血モデルに対するBMI治療においてこの細胞群から赤芽球系細胞を除くと血管新生効果が消失することがわかった。一方、赤芽球系細胞単独でも、やはり虚血下肢の救肢は認められなかった。赤芽球系細胞は骨髄において内皮下マクロファージと共に赤芽球島を形成している事から、CD14陽性細胞と赤芽球を同時に移植したところ、虚血下肢の部分的改善が得られた。さらにCD34陽性細胞(幹細胞のマーカー)を加えることにより、なお一層の改善が得られ、ほぼBMIの治療効果に匹敵した(JMCC 2006;40:629-38)。
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