研究課題/領域番号 |
16590672
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
因田 恭也 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10359747)
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研究分担者 |
室原 豊明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90299503)
近藤 隆久 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00303644)
高田 康信 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80378067)
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キーワード | ペースメーカー細胞 / イオンチャンネル / 遺伝子治療 |
研究概要 |
徐脈性不整脈に対する再生医療として、自動能を持つ心筋細胞の作成あるいは遺伝子導入によりその能力を獲得させることが試みられている。洞結節細胞が自動能を有しているのは、内向き整流カリウムチャンネルが欠如しさらに過分極誘発内向き電流チャンネルが存在していることにより、第4相拡張期脱分極が起こるためである。この過分極誘発内向き電流チャンネルは、HCN遺伝子ファミリーによって規定されており、このHCN遺伝子ファミリーのなかのHCN2およびHCN4遺伝子の抽出が本研究の達成にまず必要である。 われわれはまずHCN2遺伝子をヒト心臓cDNAおよびヒト脳cDNAからPCRを用いた手法により抽出を試みた。しかし残念ながら遺伝子量が極めて少量なため、HCN2遺伝子を得ることができなかった。そこで次にわれわれは、ヒト心臓cDNAからPCRを用いた手法により得られたHCN4全長配列を発現プラスミドpcDMA3.1に挿入した。全長配列を確認後、ヒト腎臓細胞を用いた蛋白発現確認をウェスタンブロット法にて行った。得られた遺伝子を用いた組換えアデノウイルスを作成するため、コスミドベクターpAxCAwtit2への組替えを行った。 これらのことより、今後さらにアデノウイルスベクターを作成しHCN4遺伝子の心筋細胞への導入を行うことにより、心筋を緩徐脱分極させるバイオペースメーカー細胞の作成の可能性があることが判明した。そのためには、in vivoでのより効率的な心筋への遺伝子導入法を検討し、その臨床応用の可能性を築くことが必要である。
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