研究課題/領域番号 |
16590673
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70262912)
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研究分担者 |
神谷 香一郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (50194973)
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
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キーワード | 心房細動 / 伸展刺激 / イオンチャネル / 不整脈基質 / 電気生理学 |
研究概要 |
心房細動は日常臨床で最も遭遇する頻度が高い持続性の不整脈であり、自覚症状や心機能低下によるQOL悪化や血栓塞栓症による脳梗塞などが臨床上大きな問題となっており、その有効な予防・治療法の確立が望まれている。弁膜症や高血圧、先天性心疾患などで心房に圧負荷や容量負荷が加わって心筋組織が伸展されると心房細動に対する受攻性が高まることが知られている。しかしその機序はこれまで十分解明されていない。本研究では、ウサギ摘出心臓の圧負荷誘発心房細動モデルを作成し、伸展活性化イオンチャネル抑制剤の作用について検討した。ウサギ摘出Langendorff灌流心の大静脈と肺静脈にカニューレを挿入し、左右両心房に静水圧を加えた。圧負荷を加えない状態で心房にバースト電気刺激を加えて誘発した心房細動は数秒以内に停止したが、圧負荷を加えると圧依存性に心房細動の持続時間が延長し、15cmH_2O以上の圧負荷では持続性心房細動となった。非特異的伸展活性化チャネル阻害剤Ga^<3+>は心房圧上昇による心房細動の誘発を有意に抑制した(心房細動持続時間の圧依存性曲線を左方に移動させた)が、伸展活性化チャネル阻害作用を有するタランチュラ毒素GsMtx-4の活性中心ペプチド(TVP003,TVP017)やCl^-チャネル阻害剤は圧負荷による心房細動受攻性を変化させなかった。これらの薬物が作用する伸展活性化チャネルの同定と、心房筋におけるその発現について今後検討を進めることが必要である。
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