研究課題
拡張型心筋症やウイルス性心筋炎の病態に免疫系が深く関与しているが、それら疾患における左室の形態変化や機能変化と免疫系との関連に関しては不明な部分が多い。我々は、ウイルス性心筋炎マウスモデルの慢性期を用い、左室形態および機能変化と免疫系との関連につき、サイトカインを中心に解析を行った。一方、我々は遺伝子導入のみならず、マウスにおける経血管的な心筋への細胞移植医用デバイスを開発中である。幹細胞、繊維芽細胞等の移植による拡張型心筋症および心筋炎の左室形態・機能変化に及ぼす影響を検討することを目的とした。拡張型心筋症および心筋炎において、左室拡大を中心とした形態変化の抑制をターゲットとした、再生医療法への発展を目的とした。(1)EMCウイルスによるウイルス性心筋炎モデルマウスの慢性期における拡張型心筋症様変化と血行動態上の変化のさらに詳細な検討:ウイルス性心筋炎は拡張き型心筋症の原因の1つと考えられているため、拡張型心筋症の病態解明の視点からも慢性期の形態変化や血行動態上の変化の解析は、極めて有用と考えられた。(2)EMCウイルスによるウイルス性心筋炎モデルマウスの慢性期におけるサイトカイン等免疫系遺伝子発現と左室形態・機能変化との関連の検討:mRNAおよびタンパクレベルにおいて、左室形態変化・機能変化との関連を検討した(3)経血管的な心筋への遺伝子導入法の検討:慢性的な免疫系遺伝子発現と左室形態・機能変化への影響を検討するため、アデノウイルスベクターに加え、心筋への直接的な遺伝子導入法も検討した。(3)正常マウスを用いた細胞移植法の検討:我々の開発した遺伝子導入法を応用し、正常マウスを用いて、マウス幹細胞等の細胞移植法の検討を行った。同時に、マウスにおける細胞移植用デバイスの設計を行った。
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Eur J Heart Fail. 1;6(2)
ページ: 137-144