研究課題/領域番号 |
16590683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大津 欣也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20294051)
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研究分担者 |
山本 一博 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任助教授 (90303966)
西田 和彦 大阪大学, 歯学研究科, 助手 (90362681)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 心不全 / 活性酸素種 / ASK1 / アポトーシス |
研究概要 |
我々は細胞死を誘導するapoptosis signal-regulating kinase 1(ASK1)がそのノックアウトマウスを検討することにより心不全発症に大きな役割を果たしていることを報告していた。本研究ではまずASK1の下流MAP kinaseであるp38の心筋特異的ノックアウトマウスを用いた検討でp38は非ストレス下では明らかな役割をしていないがストレス下(圧負荷)時には細胞生存に働いていることを明らかにした。さらに古典的MAPKKKであるraf-1の心筋特異的ノックアウトマウスを用いた検討ではその下流と考えれれていたMEK1やERK1,2非依存性にraf-1は心筋細胞保護に働いており、それはASK1を介してしていることを報告した。また虚血再還流障害におけるASK1の役割を検討することによってASK1はアポトーシスだけではなくネクロージスにも関与していることが明らかになった。さらにネクローシスの分子実態はミトコンドリアに存在する膜透過性遷移ポアであることをそのサブユニットであるサイクロフィリンDのノックアウトマウスを解析することにより明らかにした。ASK1はその情報をミトコンドリア膜透過性遷移ポアに伝達しネクローシスに関わっていると考えられる。 さらにASK1の恒常活性体を心筋特異的、薬剤(タモキシフェン)誘導性に発現するトランスゲニックマウスを作成したところ薬剤投与後1週間でマウスは心拡大、心機能不全を呈した。従ってノックアウトマウスの結果と合わせてASK1は心臓リモデリングに重要な役割を果たしていることが明らかとなった。また自然発症心筋症ハムスターモデルにおいてASK1のドミナントネガティブ体をアデノ随伴ベクターにクローニングし心筋に経冠動脈的に遺伝子導入すると心不全の進展は有意に抑制された。従ってASK1は心不全治療の創薬における分子標的であることが明らかとなった。
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