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2005 年度 実績報告書

生体時計の出力としての血圧概日リズムの分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16590686
研究機関神戸大学

研究代表者

江本 憲昭  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30294218)

キーワード生体時計 / 血圧日内変動 / 遺伝子改変マウス / 概日リズム / CRY
研究概要

1.細胞系を用いた生体時計出力遺伝子の網羅的解析
公開されているゲノムデータベースから、既知の概日転写因子結合部位(時計のコアループが結合するE-box : CACGTG、コアループによって制御される転写因子であるdbpの結合部位:RTTATGTAAY、Rev-ErbA/ROR応答配列)を持つ遺伝子を抽出する。12時間ごとの明暗条件で飼育したマウスを4時間ごとに屠殺後、心臓、腎臓、大動脈を摘出し、RNAを調整する。抽出した遺伝子の発現リズムを定量的PCR法によって計測し、統計処理後、有意に発現振動している遺伝子を抽出する。プロモーター領域をルシフェラーゼレポーター遺伝子に連結し、このコンストラクトを培養細胞にトランスフェクションする。リズムを誘導後、発光を計測することにより、概日転写ダイナミクスをリアルタイムでモニターする。このアプローチを用いて私たちは電解質及び酸塩基平衡の制御や血圧制御にも関与するNa^+/H^+ exchanger(NHE3)が時計遺伝子により直接的支配をうける出力遺伝子の一つであることを見出し、これを発表した。さらに動脈硬化プラークの安定性に関わるMMP2,CTGF, LRPが出力遺伝子であることを見出し、不安定狭心症の病態への関与を示唆した。
2.時計遺伝子欠損マウスの心循環機能の解析
生体時計を構成する遺伝子であるCRY1およびCRY2をノックアウトしたマウスは、行動パターンに概日リズムを消失することが最近明らかにされた。そこで、このマウスに埋込み型無線血圧モニターを大動脈に挿入し、自由行動下での血圧および脈拍を連続測定する。これらの血圧・脈拍の日内変動パターン(振幅、周期、位相)を統計学的処理を加えて解析し、生体時計による循環動態調節機能を解析した。その結果、内因性の血圧及び心拍の日内リズムは生体時計によって制御されていることが明らかになった。また生体時計は血圧や心拍における日内リズムの安定性の保持にも重要であり、生体時計の障害により、血圧や心拍における短時間の変動性が増大し、臓器障害や心血管疾患発症を惹起しうる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 体と時計遺伝子2006

    • 著者名/発表者名
      江本憲昭
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 216

      ページ: 223-226

  • [雑誌論文] Dual ECE/NEP Inhibition on Cardiac and Neurohumoral Function during the Transition from Hypertrophy to Heart Failure in Rats.2005

    • 著者名/発表者名
      Noriaki Emoto
    • 雑誌名

      Hypertension 45

      ページ: 1145-1152

  • [雑誌論文] エンドセリンシステム2005

    • 著者名/発表者名
      江本憲昭
    • 雑誌名

      循環器専門医 13

      ページ: 257-263

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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