研究課題
基盤研究(C)
1.細胞系を用いた生体時計出力遺伝子の網羅的解析公開されているゲノムデータベースから、既知の概日転写因子結合部位(時計のコアループが結合するE-box : CACGTG、コアループによって制御される転写因子であるdbpの結合部位:RTTATGTAAY、Rev-ErbA/ROR応答配列)を持つ遺伝子を抽出した。12時間ごとの明暗条件で飼育したマウスを4時間ごとに屠殺後、心臓、腎臓、大動脈を摘出し、RNAを調整し、抽出した遺伝子の発現リズムを定量的PCR法によって計測し、統計処理後、有意に発現振動している遺伝子を抽出した。このアプローチを用いて私たちは腎臓において、電解質及び酸塩基平衡の制御や血圧制御にも関与するNa+/H+exchanger(NHE3)が時計遺伝子により直接的支配をうける出力遺伝子の一つであることを見出し、これを発表している。2.時計遺伝子欠損マウスの心循環機能の解析生体時計を構成する遺伝子であるCRY1およびCRY2をノックアウトしたマウスは、行動パターンに概日リズムを消失することが最近明らかにされた。そこで、このマウスに埋込み型無線血圧モニターにより自由行動下での血圧および脈拍を連続測定した。これらの血圧・脈拍の日内変動パターン(振幅、周期、位相)を統計学的処理を加えて解析し、生体時計による循環動態調節機能を解析した。その結果、内因性の血圧及び心拍の日内リズムは生体時計によって制御されていることが明らかになった。また生体時計は血圧や心拍における日内リズムの安定性の保持にも重要であり、生体時計の障害により、血圧や心拍における短時間の変動性が増大した。さらにこれらのマウスの心臓では線維化が進行しており、心筋の機能障害が存在することが示唆された。以上より、生体時計の変調が臓器障害や心血管疾患発症を惹起しうる可能性が示唆され、現在論文を作成中である。
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