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2004 年度 実績報告書

組織リモデリングを制御する高ヒスチジン血漿因子群の分子機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16590687
研究機関岡山大学

研究代表者

森 秀治  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50220009)

研究分担者 西堀 正洋  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50135943)
高橋 英夫  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60335627)
キーワード血漿
研究概要

組織再生や修復のプロセスは,多数の因子群が複雑に相互作用しあう生命活動である。この過程の破綻は,病的な組織構造や機能障害(いわゆる組織リモデリング)を生じ,時には動脈硬化や気管支喘息等の難治性疾患を招いてしまう。従って,関連する因子群を同定し病態への関与を明らかにする事は,疾患の発症機序を理解したり新規治療法を開発する上で最重要課題の一つと言える。申請者らは,組織リモデリングに働く可能性を秘めた因子がヒト血漿中に存在する事を見出し,その鍵分子として高ヒスチジン糖タンパク質(HRG)を既に同定している。本研究では,HRG分子のユニークな一次構造上の特徴,即ち極めて高いヒスチジン含有量に着目し,特異的精製法の開発を行うと共に,組織炎症時に重要な役割を果たす事で知られる好中球の走化性に及ぼすHRGの作用について検討した。
その結果,Ni-NTAを特異的リガンドとして用いる事によって,ヒト血漿からHRGを簡便に精製する方法を確立できた。特異的ELISAを用いて回収率を求めた所,ヒト血漿(235ml)から最終的に29.2%の回収率で約6.72mgの精製ヒトHRG標品が得られた。精製HRG標品を用いて,好中球走化性の有無について検討した所,HRGは好中球に対して濃度依存的(0-1μM)に遊走活性を示す事が明らかとなった。この作用は陰性コントロール(BSA, HAS, ALP)では認められず,陽性コントロールであるfMLPに匹敵するものであった。亜鉛イオンを共存させても変化は認められなかった。好中球細胞が炎症等の組織修復過程に重要な役割を果たしている事はよく知られた事実である。本知見は,この過程でHRGが何らかの重要な役割を示す可能性を示唆するものであり,種々の因子群が働く組織再生プロセスを理解する上で興味深いものと考えられる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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