研究課題
基盤研究(C)
ラット下肢の虚血モデルにおいて、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は増加するもののTNFも増加するため、TNFのチロシンフォスファターゼにより、VEGF受容体のチロシンリン酸化が阻害され、血管新生が充分に起こらない可能性がある。そこで、ラット下肢の虚血モデルにおいて、チロシンフォスファターゼ阻害剤の反復投与にて、VEGF受容体のチロシンリン酸化が活性化し、下肢の血流が増加する事を報告した。細胞内では、SHP-1が、チロシンフォスファターゼの本体であると考えられるので、SHP-1を標的としたsmall interfering RNA(siRNA)を用いて、血管内皮細胞の増殖及び血管新生について検討した。下肢の虚血モデルにおいて、SHP-1が増加し、SHP-1 siRNAの投与によりin vitro及びin vivoにおいて、血管内皮細胞の増殖及び血管新生がおこることを報告した。一方、SHP-1は細胞のアポトーシスを起こすこと、Aktのリン酸化を抑制することが知られている。急性心筋梗塞において、アポトーシスが梗塞範囲の増加の要因の一つであり、Aktは梗塞範囲の減少をもたらす。そこで、急性心筋梗塞におけるSHP-1の影響について、small interfering RNA(siRNA)を用い検討した。急性心筋梗塞モデルにおいて、心筋のSHP-1は増加し、SHP-1 siRNAプラスミド投与により、心筋のアポトーシス及び心筋梗塞の範囲を減少させる事、心筋梗塞後の心機能及び梗塞範囲を改善させることを報告した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (7件)
Cell Biochem, Biophysic. 44(1)
ページ: 65-71
Cell Biochem.Biophysic. 44(1)
FASEB J. 19
ページ: 2054-2056
J. Diabetes Complications 19(6)
ページ: 347-355
J Am Geriatr Soc. 53(2)
ページ: 361-362
J.Diabetes Complications 19(6)