拡張型心筋症の新規病因遺伝子の解明を目的としてUnc84遺伝子の解析を施行中である。 1 拡張型心筋症の家系の収集 すでに収集している拡張型心筋症の症例および家系に加え、拡張型心筋症の家系の収集を、発端者100名を目標として行った。遺伝学的検討のために血液の採取を発端者および家系の構成員を対象に行った。 2 拡張型心筋症の症例の臨床評価 拡張型心筋症の発端者を対象に、心電図、胸部レントゲン写真、心エコー図により臨床評価を行った。また可能な症例においてはHolter心電図、心臓カテーテル検査も行っている。さらに家族歴の調査を行い、家系の構成員の臨床評価もあわせて行った。 3 Unc84遺伝子解析 まず発端者の遺伝子解析を施行した。PCR法によりUnc84遺伝子を増幅後DHPLC装置を用いて変異のスクリーニングを行った上で遺伝子異常の存在する可能性のある発端者においては直接塩基配列決定によりUnc84遺伝子の異常の有無を解析した。変異はこれまでに1家系において確認された。その家系内での遺伝子変異の有無と罹患者が一致することを確認中である。また正常者100名においてその変異が存在しないことを確認し、その変異がその家系の病因遺伝子異常であることを確認中である。 4 遺伝子異常のある家系の詳細な検討 遺伝子異常の判明した1家系の構成員の遺伝子異常と臨床所見との対比を行っており、Unc84遺伝子異常による拡張型心筋症の臨床的特徴を明らかにしようとしている。 以上のように拡張型心筋症の新規病因遺伝子の解明を目指して研究を遂行中である。
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