急性冠症候群は、冠動脈プラークが不安定化・破綻し、破綻部位への血栓形成の結果、冠動脈閉塞をきたすことにより生じる病態である。そこで、プラークの非侵襲的な評価は、臨床上極めて重要な意義を有する。心エコー法は、簡便な非侵襲的検査法として臨床で普及しているが、近年、コントラスト・エコー法を含めた各種新技術の開発が行われおり、エコー・コントラスト剤を用い、各種画像記録法・解析法を駆使することで、心エコー法によるプラーク評価が期待される。しかし、この領域でのエコー装置・画像記録法・画像解析法について、十分に検討はされていない。そこで本研究では、エコー・コントラスト剤を用いて、エコー画像でプラークを描出ための、エコー装置の各種設定や各種画像貴記録法・各種画像解析法の基礎的検討を行った。今回の研究により、心エコー法による新技術を含めた各種画像記録法および解析法を試み、本法による質的解析・定量的解析の可能性が示され。また、各方法の利点とともに、各方法の限界等も示された。これらの検討結果をふまえて、心エコー法によるプラーク評価をさらに発展させていくべく、今後の研究を計画する予定である。
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