研究課題/領域番号 |
16590715
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
吉川 勉 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (20174906)
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研究分担者 |
安斎 俊久 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60232089)
前川 裕一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90296575)
菅野 康夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00317124)
河野 隆志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60327509)
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キーワード | リモデリング / アルドステロン / アンジオテンシン受容体 / 心不全 |
研究概要 |
野生型マウスの心筋梗塞を作成後4週間(WTMI)で偽手術を施行した群に比べて、左室収縮期圧および左室内圧一次微分は低値、左室拡張末期および収縮末期径は高値であった。アンジオテンシン受容体ノックアウト・マウスに心筋梗塞を作成(KOMI)するとWTMIに比べて左室リモデリングが改善したが、偽手術を行った群に比べると左室内腔の拡張が見られた。KOMIにみられたリモデリングはアルドステロン受容体拮抗薬によって完全に抑制された。KOMIの非梗塞部心筋においてアルドステロン産生酵素CYP11B2の遺伝子発現と組織アルドステロン含量は偽手術を行った群に比べて増加していた。非梗塞部心筋における脳性ナトリウム利尿ペプチド、タイプ1およびタイプIIIコラーゲンの遺伝子発現はWTMIに比べてKOMIで抑制されたが、偽手術施行群に比べて増加していた。スピロノラクトンの同時投与によって、その発現は抑制され、偽手術施行群と差はなかった。以上より、アンジオテンシン受容体ノックアウト・マウスにおいても心筋梗塞による左室リモデリングが生じ、このリモデリングはレニン・アンジオテンシン系を介さない局所アルドステロンの産生によることが明らかとなった。アンジオテンシン変換酵素阻害薬リシノプリルを同時投与によって組織アルドステロンの産生は抑制されなかったため、アンジオテンシン・タイプ1a受容体以外の経路を介するアンジオテンシンIIの作用の関与は否定的であった。副腎皮質刺激ホルモン受容体の遺伝子発現がATMIの非梗塞部心筋で増加しており、同受容体を介するレニン・アンジオテンシン系以外のアルドステロン産生経路が梗塞後リモデリングに関与すると思われた。
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