研究課題/領域番号 |
16590719
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
奥村 敏 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (60233475)
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研究分担者 |
石川 義弘 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40305470)
佐藤 直樹 日本医科大学, 医学部, 講師 (70291721)
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キーワード | アデニル酸シクラーゼ / ノックアウトマウス / イソプロテレノール / Desensitization / mRNA |
研究概要 |
[目的]平成19年度は心臓特異的過剰発現マウス(AC5TG)を用いて慢性化カテコラミン刺激による心不全マウスモデルを作成しAC5ノックアウトマウス(AC5KO)で得られた結果と比較検討を行った。 [方法]Osmotic mini-pump(Isoproterenol(ISO);5mg/g/day for 7days)を用いて慢性カテコラミン刺激による心不全マウスモデルを作成した。 [結果]生理学的解析:ISO投与前の心機能(EF;ejection fraction)はコントロールマウス(NTG)では79±0.6%、AC5TGでは89±1.7%と有意(P<0.05)にAC5TGの心機能の高値がみられたが、ISO投与後の心機能はNTGは69±2.3%であったのに対して、AC5TGでは59±1.8%と有意(P<0.05)な心機能の低下がみられた。 病理学的解析:ISO投与前と投与後のアポトーシス陽性心筋細胞の割合をTUNEL染色で検討した。その結果ISO投与前ではアポトーシス陽性心筋細胞の割合に有意差が見られなかったが、ISO投与後ではAC5TGではNTGに比べて4.5倍のアポトーシス陽性心筋細胞の有意な上昇がみられた(P<0.05)。 生化学・分子生物学的:心筋保護作用を示すAktのリン酸化(活性化)の程度はISO投与前はAC5TGではNTGに比較して約2.3倍有意に亢進していたが、ISO投与後ではNTGのリン酸化の程度の37%にまで低下していた。 以上の結果は平成16-18年度にAC5KOで得られた結果とほぼ逆の結果が得られ、AC5KOで得られたデータの信頼性が確認された。平成16-19年度の結果を論文(Circulation 116;1776-1783,2007)に発表した。
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