研究概要 |
本研究の目的遺伝子であるRASSF1AとSEMA3BのORFをクローニングしてシークエンスにて確認後、各々FLAG融合蛋白発現ベクター(PCMV)に組み込み、癌細胞株(NCI-H1299)に遺伝子導入を行い、これらの蛋白発現をウエスタンブロット法にて確認した。同様に細胞内における局在を確認するためGFP融合蛋白発現ベクター(pEGFP)にこれらの遺伝子を組み込み、同細胞内に遺伝子導入し、共焦点顕微鏡を用いてこれらの蛋白の局在をGFPを観察することで確認した。また各々の遺伝子導入細胞とMock導入細胞から抽出したTotal RNAを用いてマイクロアレイ解析(Amersham Bioscience社の受託解析システムを採用)を試みた。これらによりRASSF1A, SEMA3B各遺伝子の過剰発現時における癌細胞の遺伝子転写発現を網羅的に解析し、これら遺伝子の腫瘍抑制機構に関与している可能性のある遺伝子群を同定しえた。さらにマイクロアレイ解析にて認められた発現の変化を半定量的PCRを用いて確認することでマイクロアレイ解析の結果の妥当性、遺伝子群の発現変化の確認を行った。これらの遺伝子群の中からRASSF1A、SEMA3Bの癌抑制機構において重要な位置を占めると思われる遺伝子を選び、現在はRNAiを用いてこれらの遺伝子の発現を阻害して癌抑制すなわち細胞増殖抑制、あるいはアポトーシス誘導の有無の確認を行っている。また選択した遺伝子に関してはORFを抽出して発現ベクターに組み込み、遺伝子導入にて過剰発現した蛋白を用いて質量分析を行い、関連蛋白の同定を試みる予定である。
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