研究概要 |
[目的]我々は以前CD8+γδT細胞が遅発型喘息反応(LAR)と気道の好酸球浸潤を抑制することを報告したが、詳細なメカニズムは不明であった。しかし気道ではTh2サイトカイン発現細胞数は減少し、IFNγ発現細胞数は増加していた。そこで今回CD8+γδT cellsの分泌するIFNγが、LARと好酸球浸潤を抑制すると仮定した。 [方法]antisense (AS)-phosphorothioated oligodeoxynucleotide (ODN)でIFNγ発現の抑制されたCD8+γδT細胞をadoptive transferし、喘息反応への影響を調べた。OVAで皮下注感作されたBNラットの頸部リンパ節から採取したCD8+γδT細胞を、5μmol/LのAS-ODNまたはcontrol (CTL)-ODNで6時間処理し、3.5x10^4個をOVAで感作されたレシーピアントBNラットの腹腔内に投与した。なおin vitroでAS-ODNはIFNγの発現を65%抑制することを確認した。LAR陽性コントロールとして、OVA感作ラットにPBSを投与し2日後OVAで吸入曝露し、8時間の肺抵抗測定の後BALを施行した。 [結果]PBS投与群と比較しCTL-ODN処理群で、LARとBAL中好酸球浸潤が抑制(P<0.05,P=0.001)されたが、AS-ODN処理群ではLARの完全な回復と好酸球浸潤の部分的回復(P<0.05,P<0.05)を認めた。 [結論]CD8+γδT細胞から分泌されるIFNγが、LARと好酸球浸潤を抑制し気管支喘息の病態に影響を及ぼしている。
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