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2004 年度 実績報告書

急性呼吸促迫症候群の発症機序における有機陽イオントランスポーターの役割について

研究課題

研究課題/領域番号 16590749
研究機関愛媛大学

研究代表者

小笠原 正人  愛媛大学, 医学部, 講師 (00325367)

研究分担者 山内 広平  岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
齋藤 正一郎  岐阜大学, 応用生物学部, 助教授 (60325371)
前山 一隆  愛媛大学, 医学部, 教授 (00157158)
キーワード急性呼吸促迫症候群 / 有機陽イオントランスポーター / 遺伝子欠損マウス
研究概要

急性呼吸促迫症候群(ARDS)において肺水腫および肺胞上皮の破壊、肺毛細血管の障害は重要な位置を占め、それらの病態において、抗ヒスタミン薬、ベータアドレナリン刺激薬の効果からヒスタミン、カテコラミンの関与が推定されていた。研究代表者(小笠原)はARDS病態モデルにおいて、これらアミン類の神経外組織におけるアミントランスポーター(有機陽イオントランスポーター:OCT3)分子が病態の進行とともに肺において低下することを明らかにした。そこでARDSにおけるOCT3の関与を明らかにするためOCT3遺伝子欠損マウスをオランダ国立癌研究所より供与してもらい各組織におけるヒスタミン濃度を測定した。肺、心臓、腎臓ではwildタイプとOCT3 knockoutタイプで有意な差は認められなかったが、脾臓、胃、小腸では有意なヒスタミン濃度の低下が認められた。リポポリッサッカライド(LPS;20mg/kg)を腹腔内に投与しエンドトキシン血症誘発性のARDSモデルを作製した。Heterozygoteとwildで経時的生存率を5時間ごとに観察し比較すると20時間後から有意な生存率の差が現れ、heterozygoteの方が生存に有利であることが明らかとなった。またOCT3の阻害剤であるフェノキシベンザミンをLPSと同時に腹腔投与すると有意な生存率の改善が観察された。これは炎症性ストレスに対しOCT3分子を介したアミンの細胞内取り込みが病態進展に関与することを示唆している。脾臓でのヒスタミン濃度の低下は神経と免疫との接点にも関与していると推定され、LPS投与後のアミン濃度の経時的測定および関連する分子の遺伝子発現の解析を行い、組織学的検討も併せて行う予定である。またこれまでの経過の一部は日本薬理学会年会2005年3月24日シンポジウムにて発表予定である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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