研究課題/領域番号 |
16590750
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松元 幸一郎 九州大学, 大学病院, 助手 (60325462)
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研究分担者 |
井上 博雅 九州大学, 大学病院, 講師 (30264039)
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キーワード | 気管支喘息 / 共刺激分子 / B7-DC / INF-γ / IL-13 / 二本鎖RNA / T細胞クローン / ステロイド |
研究概要 |
アトピー性喘息の本態は、吸入抗原に対するアレルギー性気道炎症であり、その病態において共刺激分子を介した免疫制御系が何らかの役割を担っているものと思われる。我々は、マウス喘息モデルに抗B7-DC中和抗体を投与する実験系で共刺激分子の一つB7-DCがアレルギー性気道炎症を抑制性に制御している可能性を示した。そこで本研究では、喘息におけるB7-DCの役割をより詳細に検討した。 【遺伝子改変マウスを用いた喘息モデルにおけるB7-DCの制御機構の解明】 B7-DCによるアレルギー性気道炎症の制御機構におけるIFN-γの関与を調べるため、IFN-γノックアウトマウスを用いて喘息モデルを作製し、抗B7-DC抗体投与の効果を検討した。ノックアウトマウスでは野生型にみられたような抗B7-DC抗体投与による炎症の増悪はみられず、B7-DCはIFN-γ産生を介して気道炎症を抑制していることが明らかになった。 【ヒト培養気道上皮を用いたB7-DC発現の検討】 ヒト培養気道上皮(BEAS-2B)において無刺激条件下でB7-DCが軽度発現していることを確認した。IL-13あるいはウィルス関連分子である二本鎖RNAで刺激すると、濃度依存性にB7-DCの発現が亢進した。この発現亢進は高濃度のデキサメサゾンで部分的にしか抑制されず、B7-DC発現機構はステロイド抵抗性であることが示唆された。さらに、喘息患者末梢血から樹立したT細胞クローンを固相化抗CD3抗体で活性化し、その培養上清を気道上皮に添加すると、B7-DC発現は著明に亢進した。培養上清中の各種サイトカイン濃度をELISAで測定すると、IL-13が最も高値を示していた。 以上の結果から、アレルギー性炎症や気道ウィルス感染によって気道上皮にB7-DCの発現が増強し、免疫制御的役割を担っている可能性が強く示唆された。
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