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2004 年度 実績報告書

緑膿菌感染症における抗菌薬感受性遺伝子を用いた新規治療戦略の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16590755
研究機関長崎大学

研究代表者

東山 康仁  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30304926)

研究分担者 河野 茂  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80136647)
キーワード緑膿菌 / マクロライド系薬 / 定数増殖期 / 細菌外膜 / quorum-sensing system / アジスロマイシン
研究概要

日和見感染症や慢性感染症で問題となる緑膿菌に対する治療は、一般的に抗菌薬が用いられるが、薬剤耐性菌のことが多く、治療に抵抗性である。一方で、従来の抗菌薬の感受性試験である最少発育阻止濃度(MIC)では抗菌活性が全く見られないマクロライド系薬が緑膿菌による慢性気道感染症の患者の一部には、有効であることが報告されている。
この、原因として、菌側因子として、病原因子の抑制効果が報告されていたが、我々は、マクロライド系薬が、Bactericidal effectを菌の定数増殖期に持つことを発見し、また、そのマクロライド感受性が緑膿菌の定数感知機構であるquorum sensing systemに依存していることを見出した。
本年度の研究では、このマクロライド系薬のBactericidal effectの作用機序について解析した。従来、マクロライド系薬は、細菌の蛋白合成を阻害することによりその作用を発揮することが知られている。しかし、我々の検討では、定数増殖期の緑膿菌に対するマクロライド系薬のBactericidal effectが、2価の金属イオンにより抑制されることと、金属イオンのキレート剤であるEDTAが対数増殖期では認められないBactericidal effectを定数増殖期の緑膿菌に示すことから、細菌外膜に対する作用が示唆された。さらに、マクロライド系薬であるアジスロマイシンにより蛍光プローブである1-N-phenylnaphthylamineの菌体内への取り込みが増加したことより、マクロライド系薬が細菌外膜に対して、直接作用することが証明された。
今後は、quorum-sensing systemと、細菌外膜の構造との関係に興味が持たれる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Azithromycin exhibits bactericidal effects on Pseudomonas aeruginosa through interaction with the outer membrane2005

    • 著者名/発表者名
      Imamura Y, Higashiyama Y, Tomono K, et al.
    • 雑誌名

      Antimicrobial Agents and Chemotherapy 49・4(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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