Endostatin(ED)は18型コラーゲンのC末端断片であり、血管内皮細胞に対する強い増殖抑制効果を有する。ED受容体は血管内皮細胞に特異的に発現するといわれていたが、最近、大腸癌細胞上にもED受容体が存在することが報告された.我々は現在までの研究の結果、Integrin α5がマウスの非小細胞肺癌細胞株(LLC)上の機能的ED受容体である可能性を示唆した。そこで本研究においては、A)Integrin α5を介したEDの増殖抑制シグナル伝達の機序を更に解明し、また、B)そのED結合ドメインを明らかにすることで肺癌細胞に結合せず、より血管内皮細胞の増殖能を特異的かつ強力に抑制するED断片(ED/frag)を作成することを目的とした。本研究の延長期間である平成18年度には以下のことを明らかにした。1)LLC細胞上integrin a5のKnockdownはEDのLLC細胞に対する増殖抑制効果を減少させた;2)抗integrin a5抗体での前処置はEDによるLLC細胞上Fokal adhesion kinase隣酸化を抑制した;3)目的BであるED融合蛋白作成に関しては、(1)Pichia株発現システムで全長ED融合蛋白の作成に成功した、(2)精製した全長Recombinant ED蛋白はHUVEC増殖能を有意に抑制した。
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