研究課題名:難治性肺疾患(間質性肺炎および肺気腫)に対する新規治療法の開発 IHGF、HB-EGFおよびTGF一βレセプターII細胞外ドメイン/IgGFcキメラ蛋白発現アデノウイルスベクターによる間質性肺炎治療の試み。 1)TGF-βレセプターII細胞外ドメイン/IgGFcキメラ蛋白発現アデノウイルスベクター(Ad. CA. TGF-RII/IgGFc)投与による問質性肺炎治療の試み In vitroの実験にてアデノウイルスベクター感染により発現した、TGF-βレセプターII細胞外ドメイン/IgGFcキメラ蛋白はTGF-βの作用を阻害し、モデルマウスの予備実験でも治療効果が認められた。発現の持続時間、アデノウイルスの免疫原性の問題がクリアできれば有力な治療法になると考えられる。 HGF、HB-EGFおよび幹細胞移植による肺気腫治療の試み。 1)HGF発現アデノウイルスベクター(Ad. CA. HGF)投与による肺気腫治療の試み マウスにHGF発現アデノウイルスベクター(Ad. CA. HGF)を大腿四頭筋に筋肉注射にて導入を行った。その結果、コントロール群(Ad. CMV. LacZ投与群)に比べ、明らかな肺気腫像の改善が認められた。Ad. HGF投与群はコントロール群(Ad. LacZ投与群)に比べ明らかに肺胞構造が保たれ(平均肺胞間距離が短い)肺気腫に対して改善効果が認められた。またこの改善効果の作用機序としてapoptosis抑制効果が示された(Tunel染色により解析)。またコントロール群と比較して明らかな差は認められなかったが、Ad. HGF投与群はコントロール群に比べ、細胞増殖促進(Ki67染色により解析)が認められ、かつ血管新生も増強している傾向が認められた。(現在論文投稿準備中である。)
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