研究概要 |
平成17年度の概要 1.外科的肺生検は施行されていないが,経気管支肺生検で胞隔の肥厚と単核球浸潤があり,かつHRCTでIPFらしくない症例 2例追加された.これらの症例は2.の症例と同様に,ステロイド治療開始後の肺活量の増加量が明らかである.今後ひきつづき長期的な呼吸機能の推移をみていく必要がある. 2.外科的肺生検によりNSIPと診断された症例 5例追加され,同様にステロイド治療開始後の呼吸機能をフォローアップしている. 3.外科的肺生検でNSIPと診断され無治療で経過観察している症例 NSIPのなかでもfibrotic NSIP についてはステロイド治療をしないという選択肢がある.外科的肺生検でNSIP, fibroticと証明されステロイド治療していない症例の呼吸機能をフォローアップしている.現在8年間追跡しえた症例があるが,肺活量は当初に比して全く減少していない. 4.IPFとNSIPの境界領域にある,特発性間質性肺炎 複数箇所を生検することによって,ある部位はUIPに一致する組織像,またある部位はNSIPに矛盾しない組織像を呈するというdiscordant UIP の症例を経験する機会が多くなった.現在まで外科的肺生検で確認しえたdiscordant UIPがいままで当科で5例あり,現在呼吸機能の推移をフォローアップしている. Fibrotic NSIP とIPFはその境界がきわめて不明確であり,境界領域の概念を整理し臨床的な位置づけもこれからの検討で明らかにしていきたい.
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