研究課題/領域番号 |
16590774
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小山 哲夫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80111384)
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研究分担者 |
山縣 邦弘 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90312850)
平山 浩一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10302423)
楊 景尭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (90323302)
清水 芳男 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50359577)
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キーワード | IgA腎症 / S.aureus / IgA1 / high responder / low avidity antibody |
研究概要 |
(1)我々の作成した抗S.aureusモノクローナル抗体が認識する抗原のepitopeの解析:34.7-kDa, ACCESSION AP003131-77,Protein ID; BAB41819.1).SBP_boc_9:S.aureus膜成分の一つで、manganese-binding adhesion lipoprotein manganese ABC transporterであることが判明した。 (2)抗原と抗体の局在に関する検討:IgA腎症患者の腎糸球体に沈着しているadhesion抗原とIgA1抗原と抗体の局在について検討したところ、糸球体における抗原の検出率は65%、主にIgA1とco-localizeすることが判明した。 (3)抗S.aureusに対するsubclassの検討:IgA腎症、post-MRSA関連腎炎は組織像の判明している他の疾患群に比して、抗S.aureus抗体(IgA1)抗体価が有意に高値であった。さらに、S.aureus抗原遺伝子を大腸菌に組み込み、fusion proteinを作成し、当該蛋白に対する抗体価をELISAによる測定系を確立した。 (4)抗S.aureus抗体の結合活性の検討:thiocyanate elution法を用いて、IgG,IgA classの結合活性を測定したところ、IgG classでは結合活性には差が無く、IgA classではIgA腎症患者の血清は正常人に比して有意に低値であった。形成される免疫複合体の性状に大きな影響を与えるものと推測された。 (5)免疫学的背景:S.aureus抗原刺激による細胞内cytokinesの測定を測定したところ、IgA腎症患者ではTh2優位であった。 以上の結果から、IgA腎症患者の多くはS.aureusに対してhigh responderであり、腎炎惹起性を有する低結合活性の抗体を産生するものと推測された。今後、これらの抗体産生を規定する免疫遺伝学的背景因子の検討が必要である。
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