研究課題/領域番号 |
16590799
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
坂本 尚登 北里大学, 医学部, 講師 (80187046)
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研究分担者 |
長場 泰 北里大学, 医学部, 講師 (40255279)
佐野 隆 北里大学, 医学部, 助手 (50265683)
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キーワード | クロライドチャネル / 傍糸球体装置 / モノクロナール抗体 / 発現クローニング / 緻密斑細胞 |
研究概要 |
腎臓における尿細管-糸球体フィードバック機構(tubuloglomerular feedback ; TGF)は、糸球体内の血流を一定に保持する自動制御機構で、生体の体液の恒常性や血圧の維持に重要な役割を果たしていると考えられている。従来、このフィードバック機構の制御には、傍糸球体装置を構成する遠位尿細管の一部に限局し特殊分化した"緻密斑細胞"に局在するクロライドチャネルの関与が示唆されている。しかし、このチャネルは分子レベルで同定されておらず、細胞内調節機構や隣接細胞との機能連関についても解明されておらず、遺伝子クローニングに基づく分子構造を明らかにすることは重要な課題である。申請者らは、これまでの予備実験で腎臓の傍糸球体装置の一部の構成細胞を特異的に認識するモノクロナール抗体を作成し、MD12と呼称した。この抗体を用いて免疫二重染色体を行い抗体が認識する細胞の同定を試みた。当初、単独での免疫蛍光染色の染色パターンから傍糸球体装置を構成する遠位尿細管細胞で特異的に分化した緻密斑(マクラデンサ)細胞を想定した。しかしながら、血管平滑筋のα-アクチンとの二重染色の結果から輸入細動脈の一部に限局して局在する細胞の可能性が出てきた。従来の報告出によると、レニン産生細胞にもクロライドチャネルの存在が想定されている。現時点で、このクロライドチャネルの生理学的特性や分子構造については不明である。抗レニン抗体と作成したモノクロナール抗体の二重染色が手技的に困難なため、別のアプローチで同定を試みている。一方、免疫沈降法にて抗体の認識する蛋白を検討した結果では、分子量約50kDaと推察された。さらに、腎臓のcDNAライブラリーを形質導入した培養細胞(COS-7)を対象に作成した抗体で発現クローニングを行っているが、クローンの同定には到っていない。
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