研究課題
基盤研究(C)
「研究の目的」糖尿病性腎症におけるアディポネクチンの役割について検討した。「研究の方法」ストレプトゾトシン誘発糖尿病モデルを用い、基礎検討をした。体重、尿量、空腹時血糖、ヘモグロビンAlc、尿蛋白量、血清クレアチニン、血清脂質プロフィール、クレアチニンクリアランス、さらには血漿アディポネクチン濃度を調べた。腎組織所見としては通常のPAS染色にくわえ、ポドサイト関連蛋白であるネフリン、α3インテグリン、αジストログリカン、ポドプラニン、ポドカリキシンさらにアディポネクチンの染色強度を調べた。NIH imageを用いて定量した。一部の実験では局在を明らかにするために二重染色を行った。「研究成果」尿蛋白は8週までは対照ラットと変わらず、12週で有意に増加し、検討した24週まで持続した。ポドサイト関連蛋白の発現変化では、尿蛋白が出現する前の8週時ですでにネフリンの発現が低下しており、24週ではネフリンの発現は復するものの、α3インテグリン、αジストログリカンの発現低下が認められた。血漿アディポネクチンレベルは8週でも糖尿病モデルでは低下傾向を認め、24週では対照群の約20%に低下した。腎糸球体でのアディポネクチン染色強度は、糖尿病群で増強し、24週でさらに顕著であった。このことからアディポネクチンは腎糸球体においてなんらかの保護的役割を担っている可能性が考えられた。
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帝京医学雑誌 28
ページ: 69-77
Teikyo Medical Journal 28 (2)