研究課題/領域番号 |
16590836
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
有村 公良 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20159510)
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研究分担者 |
高嶋 博 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80372803)
亀山 正樹 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60150059)
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キーワード | 甲状腺機能亢進症 / 周期性四肢麻痺 / 遺伝子変異 / 遺伝子多型 / パッチクランプ / Nav1.4 |
研究概要 |
(1)検体、臨床データの収集 本年度は臨床的に甲状腺中毒性周期性四肢麻痺(TPP)と診断され、臨床神経生理学的検査(prolonged exercise test)で異常が確認できた15症例のDNAサンプルと、周期性四肢麻痺を伴わない甲状腺機能亢進症の20症例のDNAサンプルを集めた。 (2)原因遺伝子の特定と多型解析 本年度は筋に高レベルで発現していることが明らかになり、かつ周期性四肢麻痺との関連が示唆されているKCNQ5についてTPP症例3例でこの変異の有無を検討したが、現在のところ疾患に関連すると考えられる変異は認められなかった。FPPでのmutationが知られているCACNA1SおよびSCN4Aについての、遺伝子多型分析は、検体が十分に集まり次第行なう予定である。 (3)変異遺伝子導入によるパッチクランプ解析 家族性周期性四肢麻痺関連のsodium channel myotonia患者で、新たな遺伝子変異(SCN4Aのヘテロなin frame shift変異)によりNav1.4のC末端にアミノ酸残基置換が生じていることを明らかにし、この変異遺伝子をリポフェクション法によりHEK293tに発現させ、whole cell clump法で機能解析を行った。その結果、変異導入したNav1.4はwild typeと比較して、fast activationの障害を認め、このことによる内向きNa+電流の増加がmytoniaの原因と考えられた。以上の結果から、Nav1.4のC末端もNa channelのgatingに対しても影響を及ぼしていると考えられた。
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