研究課題/領域番号 |
16590849
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
北川 泰久 東海大学, 医学部, 教授 (30124944)
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研究分担者 |
亀津 優 東海大学, 医学部, 助手 (30233977)
関山 西里 東海大学, 医学部, 助手 (40276811)
大熊 壮尚 東海大学, 医学部, 助手 (50307005)
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キーワード | 脳梗塞 / 抗リン脂質抗体症候群 / 活性化血小板 / 抗血小板療法 / 抗凝固療法 / スタチン |
研究概要 |
抗リン脂質抗体症候群は免疫学的な機序を基盤としておこる血管障害の原因として最近注目されている。抗リン脂質抗体脳梗塞での血栓発症のメカニズムはまだ解明されず、治療法も確立していない。今年度の研究では、まず抗リン脂質抗体症候群での脳梗塞患者での血小板機能を測定した。方法として3カラーフローサイトメトリー法を用い、クエン酸血2.5μlを全血小板を認識するPeridinin chlorophyll protein標識抗CD61モノクローナル抗体とフィブリノゲン受容体標識Fluorescein isothiocynate(FITC)標識PACIおよびP-セレクチンを標識するPhycoerythrin(PE)標識抗CD62Pモノクローナル抗体の入ったカクテルに添加後、暗所で15分反応させ、1%パラホルムアルデヒドにて固定した。次いで、FAC-Scan(BDバイオサイエンス)にて測定、cell questで解析した。抗リン脂質抗体症候群患者10例を対象としてPAC-1とCD62を測定した。その結果PAC-1,42.5%以上、2例(10%)、CD62P 4.5%以上2例(10%)で、活性化血小板の出現頻度は低かった。次に内皮細胞でのプロテインC活性化障害についての基礎的研究を行った。活性化protein Cの測定は培養血管内皮細胞を用いてアミド水解活性法により行い、protein Cの活性化の程度はIgG分画を加えた時の吸光度から加えない時の吸光度の差を、加えない時の吸光度で徐した割合で示した。その結果、抗リン脂質抗体陽性の脳梗塞例では活性化プロテインCの障害は7例中5例にみられ、抗リン脂質抗体症候群に伴う脳梗塞では凝固系が主な異常と考えられた。次年度はこれらの結果を元に、抗リン脂質抗体症候群での虚血性脳血管障害の再発予防に抗血栓版療法と抗凝固療法の単独もしくは併用療法が有効かを病態面から明らかにし、さらにスタチン治療を加えることが有効か否かを検討する予定である。
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