研究課題/領域番号 |
16590849
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
北川 泰久 東海大学, 医学部, 教授 (30124944)
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研究分担者 |
亀津 優 東海大学, 医学部, 助手 (30233977)
関山 西里 東海大学, 医学部, 助手 (40276811)
松田 博 東海大学, 医学部, 助手 (20317811)
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キーワード | 脳梗塞 / 抗リン脂質抗体症候群 / 抗血小板療法 / 抗凝固療法 / スタチン |
研究概要 |
抗リン脂質抗体症候群は免疫学的な機序を基盤としておこる血管障害の原因として最近注目されている。抗リン脂質抗体脳梗塞での血栓発症のメカニズムはまだ解明されず、治療法も確立していない。今年度の研究は抗リン脂質抗体症候群に発症した脳梗塞の再発予防に対する治療に関する研究である。 抗リン脂質抗体症候群(APS)における脳梗塞の再発予防療法に対して、抗血小板薬の単独療法と抗血小板療法と抗凝固療法との併用療法を対比検討した。抗リン脂質抗体が陽性の脳梗塞20例を対象とした。内訳は男性10例、女性10例、平均年齢は48±10歳、原発性抗リン脂質抗体症候群13例、SLEに伴う抗リン脂質抗体7例である。抗リン脂質抗体症候群は診断基準に従い、β2-GPI抗カルジオリピン抗体陽性もしくはlupus anticoagulant陽性例とした。一次ポイントを脳梗塞の発症とし、1群を抗血小板療法のみ(アスピリン81mgまたはチクロピジン200mg)11例、2群を抗血小板療法と抗凝固療法(INR2.0-3.0)との併用群9例とした。両者における平均年齢、入院時のNIHSS、高血圧、糖尿病、高脂血症などの危険因子の頻度には差を認めなかった。両群間での脳梗塞の再発累積率についてKaplan-Meierの生命表分析を用いて解析した。平均観察期間は3.9±2.0年である。結果は抗血小板薬単独群と抗血小板薬と抗凝固薬の併用群を比べると、単独群での累積脳梗塞発症率は併用群に比べて有意に高かった(Log rank検定 p=0.026)。抗リン脂質抗体陽性脳梗塞例の再発予防治療として、抗血小板療法と抗凝固療法の併用が抗血小板療法単独よりも有用である。今後、抗凝固療法単独療法の有用性の検討、さらにスタチンを投与した場合の再発予防効果についての検討を行いたい。
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