研究課題/領域番号 |
16590857
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
松永 洋一 福岡大学, 医学部, 講師 (80239053)
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研究分担者 |
山田 達夫 福岡大学, 医学部, 教授 (60159217)
毛利 資郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40117271)
藤木 富士夫 福岡大学, 医学部, 助手 (60352259)
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キーワード | プリオン / アミロイドベータ / ステファンB / 樹状突起細胞 / 脾臓 / ホーミング |
研究概要 |
マウス脾臓より分離した単核球は、さらに抗CD11c,抗CD80抗体を用いて、Folicullar dendritic cells (FDCs)にまで精製分離することに成功した。精製したFDCsは、最終的には、マウス由来神経芽細胞N2aと細胞融合させる予定であるが、今回我々は、このマウスFDCsにプリオンタンパクの立体構造変化の鍵を握ると考えられる部分的なプリオンペプチドフラグメントを添加し数日間、試験管内で培養後^<51>Crでラベルし、マウス尾静脈より移入後、その体内分布を調べた。プリオン蛋白も一種のアミロイドであり、アルツハイマー病におけるベータアミロイドやステブァンBとの共通点が多く、いずれも脳内で異常凝集を惹起しうる。本年度我々は、これらの蛋白間の相同性が高いシークエンスをCLUSTAL Xを用いて解析し同定した。即ち、プリオン蛋白では90-144のフラグメントは、アミロイドベータ1-42、ステファンB13-60のフラグメントと高い相同性を示すことを明らかにした。この知見に基き今回添加するプリオンフラグメンントは、90-144のシークエンス内に含まれる部分鎖とした。結果として細胞移入数日後、これらの細胞は脾臓に集積し所謂FDCsのホーミング現象を示した。この結果より、融合細胞が確立されれば、神経芽細胞の性質を兼ね備えたFDCsが脾臓で観察でき、脾臓で正常プリオンタンパクが異常プリオンタンパクに立体構造変化する過程の解析が可能となる。さらに、一度体外へ取り出し様々な処理を加えた神経細胞を用いて、体外からの異常プリオンタンパクを選択的に捉脱でき、新たな治療法の開発を示唆するものと考えられる。
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