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2005 年度 実績報告書

脂肪組織と血管壁細胞とのクロストークの存在と分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16590869
研究機関千葉大学

研究代表者

齋藤 康  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50101358)

研究分担者 武城 英明  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80291300)
卯木 浩之  千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40323290)
キーワード脂肪細胞 / 血管壁細胞 / 肥満 / 糖尿病 / クロストーク
研究概要

本研究は、脂肪細胞と血管壁構成細胞との相互作用による細胞機能調節とその作用機序を明らかにすることで、肥満症における血管傷害の発症の分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。本研究期間内に下記について明らかにした。
1.脂肪細胞から血管壁細胞への作用
モデル動物および培養細胞を用いて検討した結果、脂肪細胞は肥大化とともに病的機能発現がみられ、この主たる機能変化としてTNF-α等のサイトカインの分泌があげられる。この機序には、脂肪細胞から分泌されるレジスチンがTNF-αの調節を介してインスリン抵抗性を引き起こすこと、内臓領域に蓄積した脂肪細胞がVEGFを発現し、血中で活性を有していることを明らかにした。この機序により、内臓に蓄積した脂肪細胞が、レジスチン/TNF-αおよびVEGFシステムを活性化することにより血管壁細胞に、直接ならびに間接的に作用する可能性がある。これらの研究結果から脂肪細胞が直接及びインスリン抵抗性を介して、血管傷害を引き起こす可能性が示され、新たな脂肪細胞と血管壁構成細胞との相互作用として今後分子機序を明らかにする必要がある。
2.血管壁細胞から脂肪細胞への作用
これまでに平滑筋細胞由来活性因子としてLR11を同定して、その脂肪細胞に対する機能解析を行った。LR11は脂肪細胞の成熟分化を抑制する作用があり、これはPPARγやCEBPαの転写因子の発現を調節することによる。この結果、脂肪細胞の肥大化は抑制され、肥大化でみられるTNF-α等のサイトカインの分泌が抑制された。これらの結果は、血管壁細胞から脂肪細胞の分化調節を介して活性物質の分泌を制御する新たなシステムを提示するものであり、今後モデル動物による病態解析により本システムの意義を検討する必要がある。
これらの研究結果は、研究計画より期待された結果に加えて新たな分子メカニズムを呈示する成果である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Implantation of primary cultured adipocytes that secrete insulin modifies blood glucose levels in diabetic mice.2005

    • 著者名/発表者名
      Ito M, Bujo H, Takahashi K, Arai T, Tanaka I, Saito Y.
    • 雑誌名

      Diabetologia. 48(8)

      ページ: 1614-1620

  • [雑誌論文] Roles of degree of fat deposition and its localization on VEGF expression in adipocytes.2005

    • 著者名/発表者名
      Miyazawa-Hoshimoto S, Takahashi K, Bujo H, Hashimoto N, Yagui K, Saito Y.
    • 雑誌名

      Am J Physiol Endocrinol Metab. 288(6)

      ページ: E1128-E1136

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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