研究概要 |
アポB48受容体はマクロファージ上に発現される新規に発見されたリポ蛋白受容体である。この受容体はレムナントなどに含まれるアポB48と結合し、中性脂肪代謝を介して動脈硬化の発生に関係すると思われる。われわれは今回の研究で、リンパ球上にこの受容体が発現されることを見出した。TおよびBリンパ球は、本受容体のmRNAおよび蛋白を発現し、アポB48と結合することが確認された。さらに糖尿病患者10名および正常ボランティア26名の末梢血リンパ球の本受容体mRNA量を、血糖、中性脂肪などの指標と比較検討した。その結果、空腹時血糖とアポB48受容体mRNA量が逆相関した(r=-0.44,p<0.05)。本受容体はインスリン抵抗性患者に見られる、高中性脂肪血症の発生に関係している可能性がある。
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