研究課題
基盤研究(C)
新しく発見されたリポ蛋白質受容体「アポB48受容体」は、単球・マクロファージにのみ発現が認められる。本受容体を発現する単球・マクロファージはアポB48を持つカイロミクロンレムナントやVLDLを取り込み、泡沫化することから、これらのリポタンパクが増加する病態(食後高脂血症、糖尿病など)において動脈硬化を促進することが考えられている。病態形成のみならず正常の細胞機能の維持に役割を果たしていることが予想されるが、生理的役割に関しては研究が進んでいない。本研究では、アポB48受容体の生理的意義を解明する目的で、生体内分布や発現調節を検討するとともに、この受容体の発現調節機構およびリポ蛋白質代謝に及ぼす影響を検討した。その結果、本受容体が単球・マクロファージのみならず、Tリンパ球、Bリンパ球にも同じ程度発現していること、また単球における発現は分化に依存しており、単球のマーカーが発現する前から本受容体は発現が増加する一方、流血中の単球が接着によりマクロファージに分化する過程では発現量が変化しないことが判明した。これらの結果は、本受容体が免疫担当細胞一般に対して増殖や機能の維持に対して重要な役割を果たすことを示唆している。実際最近の他施設からの報告では、これらの免疫細胞のコレステロール量が、増殖や免疫機能に重要な役割を果たすことが明になっている。このような免疫細胞のコレステロール含量調節に本受容体は重要な役割を果たすと考えられる。また、本受容体が抑制を受けることなく正常リポタンパクを取り込むことから、食後の脂質上昇を抑える役割があると考えた。本受容体を肝臓に強制発現させることにより高レムナント血症を治療する可能性を追求し、遺伝子導入のためのアデノウイルスベクターを作成した。
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