研究課題/領域番号 |
16590871
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
大森 正幸 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (40372502)
|
研究分担者 |
田中 昌一郎 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (70377521)
小林 哲郎 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30113442)
|
キーワード | GAD抗体 / 1型糖尿病 / エピトープ / NODマウス |
研究概要 |
GAD抗体は、1型糖尿病の予知・診断の指標として広く用いられているが、その意義に関しては、膵β細胞破壊により血中に漏出した抗原に対して抗体が産生され単なる指標であるとする説、この自己抗体自体が膵β細胞破壊をもたらす発症要因であるとする説などがあり、見解が定まっていない。さらに最近、GAD抗体は1型糖尿病の進展を阻止しているとの報告もある。GAD抗体には複数のエピトープがあることが知られており、この抗体の意義に関する相反する報告の存在は、エピトープの異なる抗体が各々異なる作用を有するためとも想定されるが、これらは未解決のまま経過してきた。本研究では、GAD抗体の意義を実証するため、種々の合成GADペプチドを糖尿病動物モデルに投与することでの、GAD抗体の認識部位、糖尿病の発症率・発症時期や膵組織所見に対する影響を検討すべく、様々なGADの部分ペプチドを発現するプラスミドを作成し、大腸菌による蛋白合成、蛋白抽出を試みた。パイロット試験でGAD蛋白のN端、中央部、C端に相当するペプチドの合成・抽出が得られ、今後大量精製の予定である。また、これらGADペプチドを免疫する動物モデルとして、1型糖尿病動物モデルのNODマウスに遺伝子操作を行い、マウス内因性GAD65蛋白の発現が欠損したGAD65ノックアウト・NODマウスを作成し、系を樹立中である。今後はこのノックアウトマウスに上記GADペプチドの投与を行い、糖尿病病態に与える影響の検討を予定している。
|