本研究は、転写因子PDX-1、Ngn3、GABP、およびエピジェネテックな遺伝子の転写調節の組み合わせにより非β細胞(膵内分泌前駆細胞、体細胞)から膵β細胞へ分化誘導することを目的とするものである。平成17年度は、非β細胞としてHepG2細胞、膵β細胞としてRIN細胞のインスリン遺伝子プロモーターのCpG siteのmethylation rateを検討したところ、HepG2細胞ではメチル化、RIN細胞では脱メチル化傾向を示した。AR42J細胞にhistonedeacetylase inhibitor (Depsipeptide)とDNA脱メチル化剤である5-Azacytidineを投与し、インスリン遺伝子の発現を誘導できるか検討したが、RT-PCR法、インスリン抗体免疫染色法では発現の確認はできなかった。現在Ngn3遺伝子、PDX-1遺伝子を組み合わせてstable transfectionしたAR42J細胞、HepG2細胞、BRL細胞を作製したところであり、Depsipeptideと5-Azacytidineを投与し、インスリン遺伝子の発現を誘導できるか検討する予定である。
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