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2006 年度 実績報告書

メタボリックシンドローム病態形成におけるチロシンホスファターゼ1Bの役割

研究課題

研究課題/領域番号 16590876
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

前川 聡  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00209363)

キーワードPTP1B / SREBP-1 / PP2A / Endoplasmic Reticulum / CAAX signal
研究概要

チロシン脱リン酸化酵素の一つであるPPTP1Bは、インスリン受容体やIRS-1を脱リン酸化することで、インスリン抵抗性を引き起こす。我々は、高ブドウ糖および高インスリン培養肝細胞や、高果糖食負荷ラット肝臓において、PTP1Bの発現が亢進し、PTP1Bがインスリン抵抗性の原因として重要であることを報告してきた。さらに、PTP1BがPP2Aを活性化し、活性化したPP2AがSP1を活性化することで、SREBP-1の転写を刺激してSREBP-1発現を増加させることを奉告し、PTP1Bがインスリン抵抗性の原因としてだけでなく、高中性脂肪(TG)血症の原因にもなることを示した。
PTP1BはそのC末端を介してendoplasmic reticulum (ER)に局在しており,この局在がPDGF受容体の脱リン酸化に重要と報告されている。今回、PTP1BのSREBP-1発現刺激作用におけるER局在の意義について検討した。PTP1B wild type (WT)、ERに局在できないC末端欠損変異体(ΔCT)、ΔCTにCAAX motifを付加し、細胞膜やERに局在させた変異体(ΔCT-CCAX)を発現するアデノウイルスを作成し、Fao肝細胞およびマウス初代培養肝細胞に過剰発現させ比較検討した。Fao細胞およびマウス初代培養肝細胞において、3種のPTP1Bともインスリンシグナルを抑制し、インスリン抵抗性を惹起したことより、インスリンシグナルにおいては、PTP1Bの細胞内局在は重要でないと考えられた。WT過剰発現によりSREBP-1cの発現が増加したが、ΔCTでは増加しなかった。一方、ΔCT-CCAXは、SREBP-1cの発現を亢進した。これらのSREBP-1発現増加作用は、PTP1BがPP2Aと結合しその活性を上昇させるかによると考えられた。以上より、PTP1Bの細胞内局在が、PP2Aとの結合に重要であると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] The transcription factor AP-2β causes cell enlargement and insulin resistance in 3T3-L1 adipocytes.2006

    • 著者名/発表者名
      Tao Y, Maegawa H, et al.
    • 雑誌名

      Endocrinology 147

      ページ: 1685-1696

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The transcription factor AP-2 beta regulates adiponectin gene expression.2006

    • 著者名/発表者名
      Ikeda K, Maegawa H, et al.
    • 雑誌名

      J Biol Chem 281

      ページ: 31245-31253

  • [雑誌論文] Intronic polymorphisms within TFAP2B regulate transcriptional activity and affect adipocytokine gene expression in differentiated adipocytes.2006

    • 著者名/発表者名
      Tsukada S, Tanaka Y, Maegawa H, et al.
    • 雑誌名

      Mol Endocrinol 20

      ページ: 1104-1111

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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