研究課題
16年度に引き続き、粥状動脈硬化は血管関連細胞の形質転換であり、血管構造の変化を伴う形態再構築過程と位置づけて研究を行ってきた。なかでも造血幹細胞の関わりに着目し、骨髄細胞がいつどのように血管構築細胞に分化し、いかなる機能的意義を獲得するかにつき研究目標を定め、とくに血管傷害病変における骨髄由来幹細胞の血管再構築過程における血管新生の分子機構の解明に取り組み、サイトカインであるCXCL16が血管新生因子として作動することを明らかにした。また糸球体腎炎は血管内皮細胞、細動脈を含めた血管構築の再形成を伴うことから、その分子機構の解析は粥状動脈硬化の病態解明につながると考えられる。申請者らはすでにM-CSF受容体であるc-fmsを遮断する抗体であるAFS97、およびPDGFβ受容体を選択的に遮断する交代APB5を粥状動脈硬化モデルマウスに投与することにより、動脈硬化病巣における関与細胞の解析を行ったが、さらにThy1誘導による増殖性糸球体腎炎モデルにおいてメサンギウム増殖にSTAT3/Smad1を介した細胞内情報伝達系が関わることを示した。また形態形成過程において重要な役割を演じると考えられるSnai-related zinc-finger型転写因子であるSmucの個体形成における役割の解明に努めた。さらに近年粥状動脈硬化との関わりが重視されているメタボリックシンドロームにおける血管再構築過程の分子機構の解析をめざしているほか、粥状動脈硬化・血管再構築における白血球遊走ならびにプロスタノイド受容体関与の検討をすすめた。
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