研究課題/領域番号 |
16590891
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
中崎 満浩 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40363626)
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研究分担者 |
郡山 暢之 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50363643)
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
加計 正文 秋田大学, 医学部, 助教授 (90214270)
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キーワード | スルホニルウレア受容体 / インスリン分泌 / サイクリックAMP |
研究概要 |
本研究の目的は、正常β細胞とSUR1KOβ細胞においてcAMP作用時のインスリン分泌動態を比較・検討することにより、その作用機序を解明することである。まず、インスリン開口放出における違いを、total internal reflection fluorescence microscopy (TIRFM)を用いて観察した。細胞膜でのSNARE蛋白(SNAP-25とsyntaxin-1)の密度はSUR1KOβ細胞と正常β細胞において同等であったが、予想に反して細胞膜にドッキングしているインスリン分泌顆粒はSUR1KOβ細胞において有意に多数であった。また、ブドウ糖によるインスリン分泌刺激においては、正常β細胞がpreviously dockedとnewcomer(新たにドッキングする顆粒)の2つの成分から構成されるのに対して、SUR1KOβ細胞では少量の開口放出が、ほぼnewcomerのみにより惹起される現象が観察された。この現象は高濃度のカリウムによる刺激でも同様であった。以上のことより、SUR1KOβ細胞においては分泌顆粒のfusion過程に異常があることが推測された。現在、インスリン開口放出におけるcAMPより顆粒のメカニズムを、α毒素でpermeabilizeしたラ氏島において検討中である。種々のcAMPアナログを用いた解析にて、cAMPは細胞内CaイオンとATPの両者に依存して開口放出を起こすことを確認した。また、cAMPの作用機序としてcAMP-GEF-H-低分子量G蛋白質活性化の経路が最も重要であると推測された。
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