ゲノムワイドに設定した3万種類のマイクロサテライト多型マーカー(日本人集団で十分な多型が確認されたもの)を用いて、200名の血縁関係にないバセドウ病患者サンプルと、性・年齢マッチをさせた同一数の健常者コントロールサンプルによるゲノムワイド相関解析(全ての多型マーカーについてのアリル頻度の解析とcase-control間での有意差の検定)によるバセドウ病疾患感受性遺伝子坐の1次スクリーニングを行った。個々のサンプルのタイピングを行うのではなく、一サシプルあたり一定量のDNAを含むようなPooled DNAを作成して、一度にタイピングとアリル頻度計算を行い、解析の能率性・経済性を最大限に向上させることができた。網羅的同定を目指すため、アリル頻度検定の有意水準としては、P<0.05という高めを採用し、検出力を高めて疾患寄与度の低いものも同定できる戦略をとった。これで検出感度は約80%と計算される。1次スクリーニングで患者群と健常者群にアリル頻度の有意差が認められたマイクロサテライトマーカー(Fisher2x2でP<0.05)は3500マーカーであった。これらについて、全く別の患者・健常者サンプル(1次と同様の200検体ずつのプール)を用いて、結果が再現できるかどうか2次スクリーニングを行ったところ現在までに400マーカーについて有意差を得ている。現在、2次スクリーニングの完成と3次スクリーニングのための検体収集をおこなっている。
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